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Q 隣家からの生活騒音に悩まされています。何か良い遮音の方法がないものでしょうか?
A 生活騒音には、育児など通常の生活に伴って発生するものと音楽演奏など趣味や宗教的な行事などあまり一般的ではない生活の仕方から発生するものとがあります。一般的ではないもので我慢できないときは、先ず始めに隣人として冷静に話し合ってみることを勧めます。案外、解決することがあるものです。生活騒音は空気伝播音が主なので、防音は建物の気密性を高くすることでほとんど達成できます。
1) 生活騒音の問題は個人差が大きいことと風鈴がいったん気になりだすと耐えがたいといったように、多分に精神的な問題でもあります。人にとって音は暴力でありうると同時に全く音のない世界、例えば無響室では耐えられないともいわれています。隣家との暖かいお付き合いが騒音問題を機に始まることもありえます。お互いを尊重する立場にたって話し合いをすることが一番です。住まいの防音性能を高めて解決するのは最後の手段です。先ず騒音がどのようなものか、本当に耐えがたいものなのか、当人とその周辺の人を交えて話し合ってから隣人と対するのが順序でしょう。
2) 客観的に住宅が集合住宅の場合と戸建て住宅の場合とでは大分異なりますが、共通する対策もあります。共通する基本対策は、
- (1) 音の進入する開口部(窓、出入口、排気口、場合によっては配管出入口やコンセント孔も)を確実に閉鎖して密閉空間とすることです。
- (2) 壁などの材質は密度が大で厚いほど、すなわち重量のある材料ほど良く、また、空気層を挟んだ複層構造が有効です。
- (3)界壁は共通な間柱の両面に施工する壁ではなく、空間を設けて別々に立てた間柱にそれぞれ施工し、その間隙に断熱材などを挿入します。間柱上の壁下地には少なくとも15mm厚の石膏ボードあるいはそれ以上の質量のある材料を双方の部屋の壁に施工します。この壁にコンセントなどの穴を開けるときは防音処置を行います。さらに天井、床もこの界壁に応じた防音効果のある施工を行う必要があります。要は、上記の防音隔壁で部屋を包んでしまうことです。特に接合部は要注意です。独立したで部屋を防音する場合は同じです。
- (4)窓、扉の措置は非常に重要です。扉や窓障子が閉じたとき重なり合う、めし合わせ部は気密性の弱点となるので、この仕口、パッキン類に高い技術が要求されます。扉の本体は遮音効果の高い材質を選び、さらに二重扉とすれば確実です。窓はフレームの厚い木製サッシとし、ガラス面には5mm厚以上のガラスを入れると効果があります。防音複層ガラスもあります。
このような全ての処置がとれればよいのですが、費用も嵩むので、ともかく気密性を確保することを第一に徹底して行い、使用材質は周辺環境と騒音状況、受容限度などを総合して選択したらよいでしょう。
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