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Q 耐震性の高い木造住宅を建てるにはどうしたらよいでしょうか?
A 要は現行の新耐震基準を遵守した建物を造れば、十分強いことが保証されています。具体的には1)基礎、2)耐力壁*、3)耐力壁の配置、4)構造上の無理である構造不適格、5)接合部、6)腐朽対策、7)材料について、それぞれ的確な設計、仕様、施工、管理が行き届いていることが対策の要です。
1) これから住宅を建てる場合は
- 鉄筋の入った確実な構造の布基礎またはベタ基礎とすること
- 各方向の耐力壁が確実に必要量設けられていること
- 設置された耐力壁がつりあいよく配置されていること
- 極端に大きな窓や大面積の吹き抜けを設ける等の無理な設計を行わないこと
- 筋かいの留め付け部、仕口、継ぎ手(柱と梁、土台のつなぎ方など)は補助金具を用いて緊結すること
- 腐朽、白蟻対策を講じておくこと
- 必要な強度等を有する材料を用いること
などの要点を守って設計、施工を行えば、耐震性のある建物とすることが出来ます。
2) 既設の住宅の耐震性を高めるのも同じことで、新築の場合の要点をチェックして、改善を図ることです。Dの筋かいの留め付け部、仕口、継ぎ手をチェックして改善することは外壁を取り外さないとできない大掛かりな工事になります。また、Fの材料が必要な強度等を有するかどうかも簡単には見ることができないので、設計図書でチェックしてください。
3) チェックは以下のように行います。まず、目視検査と小ハンマーによる打撃音検査などで基礎、土台を検査します。外部と床下から見ることで、土台、柱の腐朽、白蟻被害はほぼ判定できます。筋交いや耐力壁の施工状況、腐朽の有無は壁を壊さなくては検査できません。梁、柱、小屋組みなどは天井裏から判別することが出来ます。構造不適格かどうかは専門家ならば家をつぶさに見れば判断できるでしょう。一番問題なのは家の耐震性を決める重要な耐力壁のチェックや補強が壁を壊さなければできないことです。従って本格的な耐震診断と改造は、建物の内外装のやりかえと併せて行うようにします。
その場合には、
(1)腐朽部分などの改修補強を行う
(2)耐力壁の必要量とつりあいの良い配置の確認と補充・補強をする
(3)耐力壁には、筋交いを入れ、構造用合板などで耐力を高める
(4)継ぎ手、仕口を規定された補助金物によって補強する
(5)床・屋根面を構造用合板などで強固な一体構面とする
ことを実施して下さい。なお、無筋布基礎である場合は補強が必要です。
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